ⓔコラム6-1-8 その他の抗ウイルス薬 (リバビリン,ファビピラビル)

 リバビリンはグアノシン (ヌクレオシド) アナログで,試験管内ではさまざまなDNAおよびRNAウイルスに対して広く活性を示す.臨床的には慢性C型肝炎 (DAAと併用),乳幼児の重症RSV感染症 (吸入療法),進行性ワクチニア症 (ワクチニア免疫グロブリンと併用),出血熱 (エボラウイルス病,Lassa熱,ハンタウイルス肺症候群) の治療などで用いられることがある.主要な副作用の1つに貧血などの血液毒性がある.

 ファビピラビル (RNAポリメラーゼ阻害薬) は,インフルエンザウイルスのほか,試験管内でさまざまなRNAウイルス (重症熱性血小板減少症候群 (severe fever with thrombocy topenia syndrome: SFTS) ウイルス,Crimean–Congo出血熱ウイルス,ジカウイルス,チクングニヤウイルス,エボラウイルス,マールブルグウイルス,狂犬病ウイルスなど) に活性を示す.臨床試験における忍容性は高いが,催奇形性が重大な副作用である.エボラウイルス病に対する臨床試験では,効果は限定的であった.2020年現在,SFTSや新たなコロナウイルス感染症 (COVID–19) に対し,臨床試験が進められている.

〔畠山修司〕